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あなたは友人になる人をどのような基準で選んでいますか?
ほとんどの人が基準など設けておらず「気の合う人」「心が落ち着く」などで、いつの間にか友人になっているのではないかと思います。さて、友人になると良い基準を表す言葉に「益者三友」という四字熟語が有ることを存じでしょうか。
普段はあまり目にしない言葉かもしれません。漢字から推測すると3人の友人の利益に関する熟語にも思えますね。
この記事では、「益者三友」の意味や語源、英語・類義語表現や使い方の例文を詳しくご紹介していきます。
「益者三友」の意味と由来
「益者三友」の意味
まず「益者三友」は「えきしゃさんゆう」と読みます。
では、どのような意味を持つ四字熟語なのか小学生でも解るように紐解いていきましょう。
「益者三友」は「交際して自分のためになる友人は三種類あり、それは正直な人、誠実な人、博識な人のことだ」という意味です。
「益者」という語は有益なことをもたらす人ということ、「三友」は三種類の友人ということです。
「益者三友」の由来
それでは「益者三友」の由来をご紹介していきます。
この言葉は中国春秋時代の思想家・孔子の書物「論語・季氏」に出てくる言葉のひとつでその内容は以下の通りです。
「直き(なおき)を友とし、諒(まこと)を友とし、多聞(たもん)を友とするは、益なり」
交際して自分のためになる友人とは、「素直で正直である人」「誠実な人」「視野が広く知識の豊富な人」という理想的な友人の選び方であり、慎重に選ぶべきだとの意味ということを言っています。
しかし、人間は色々な人がいますし、社会に出るまでは環境を自分で選べない人も多いのですよね。必ずこの三つに当てはめて友人を選ぶことは難しいでしょう。害を与える人とはお付き合いしてはいけないということではなく、自分に有益になる人を見極める力をしっかり持つと良いということです。
「論語」は日本には応神天皇の時代(4世紀末頃)に百済を経由して渡ってきたとされる書物です。平安時代には大学の教科書として使われていました。
「益者三友」の英語表現と類義語
「益者三友」の英語表現
直訳は次の通りです。
- three kinds of beneficial friends: straightforward, sincere, and well-informed ones(益者三友)
「益者三友」に似た意味を持つ表現は以下の通りです。
【例文】
- Your best friends are honesty, sincerity and wisdom. (最高の友人とは、正直・誠実・賢明な人である。)
良い言葉は世界共通してあるんですね。
「益者三友」の類義語
「益者三友」の類義語をご紹介します。
- 益者三楽
- 損者三友
- 損者三楽
2の「損者三友」ですが、こちらも孔子の言葉で「便辟(べんへき)を友とし、善柔を友とし、便佞(べんねい)を友とするは、損なり」と、論語に「益者三友」とセットで書かれています。交際すると有害な友とは「人に媚びる人」「不誠実な人」「口先ばかりの人」という意味です。
「益者三友」の使い方
では、最後に「益者三友」の使い方について例文をご紹介します。
【例文】
- 「益者三友」の意味を理解してきたところで例文をご紹介します。
- 「君の友人は益者三友の条件を満たしていてすばらしいね」
- 「ぼくは益者三友の友達のお陰でこれまで沢山助けられてきた」
- 「私はあなたの益者三友でしょうかそれとも損者三友ですか」
- 「数少ない友人は益者三友であり、私もそうでありたい」
- 「益者三友の友人は私の生涯の宝物です」
例文のようにとても良い意味で使われることが多い言葉です。
友人から「益者三友」だと言われたいですね。
「益者三友」で自己を高めよう
「益者三友」のような正直者で誠実で、博識高い人はそうそういないでしょう。
人の内面の良さ知り、お付き合いする人を見極めるということは自分を幸福にして高めるということになります。
そして、完璧な人間はいませんので「損者三友」のような人と交際しても自分が学ぶことは沢山あります。自分にあった素敵な友人をもちましょう。
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