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公園や街中で、寄り添って歩いたり談笑している熟年の夫婦を見かけます。
長い年月をともにしてきた二人には、二人にしかわかりあえない物語があったでしょう。
現代は、女性の社会進出がめまぐるしくなり、夫婦としてのあり方も変化してきています。あなたはどのような夫婦像を描いていますか?
この記事では、夫婦のあり方を提唱した「夫唱婦随」の意味や語源、英語・類義語表現や使い方の例文をご紹介していきます。
「夫唱婦随」の意味は?語源は?
「夫婦」の間に「唱」と「随」が合わさった「夫唱婦随」は「ふしょうふずい」と読みます。歌のタイトルにでてきそうな四字熟語ですが、夫婦とは何かを考えさせられる奥深い言葉です。
「夫唱婦随」の意味は?
「夫唱婦随」とは、「夫が言い出したことに妻が従う」という意味です。
現代では男女平等の考え方が普通となっているので、「夫に妻が従う」という考え方は女性目線からみると腑に落ちないと感じてしまいますね。
「夫唱婦随」の語源は?
次に「夫唱婦随」の語源について見ていきましょう。
- 「夫」・・・結婚した男女の男という意味
- 「唱」・・・あることを言いはじめるという意味
- 「婦」・・・結婚した男女の女という意味
- 「随」・・・したがう、よりそうという意味
「夫唱婦随」とは、中国・周時代の思想家である関尹子によって書かれた思想書「関尹子」の三極で「天下の理は、夫が唱え、婦は随する」が由来と言われています。
「夫が言い出し、妻はそれに従う」それが円満の秘訣とされてきましたが、現代では「夫婦仲がよい」といった意味で使われています。
「夫唱婦随」の英語・類義語
それでは次に「夫唱婦随」を英語・類義語で表現すると、どのようなものになるのかご紹介していきます。
「夫唱婦随」の英語表記
「夫唱婦随」を英語で表現すると、以下のようになります。
- a wife should do her husband’s bidding
- the wife to follow the husband’s lead
【例文】
- The Japanese used to say that the best way to maintain domestic happiness was for the wife to follow the husband’s lead.(日本では、家庭円満には夫唱婦随が一番ということになっていた。)
「夫唱婦随」を直訳すると、夫の言うことに妻が従うといった高圧的な訳になってしまうので「夫がリードをして妻はフォローする」といった意味を持った英語表記にする方が、現代の日本の夫婦のあり方が伝わりやすいでしょう。
「夫唱婦随」の類義語
また「夫唱婦随」の類義語には、どのようなものがあるのでしょうか。
- 鴛鴦之契(えんおうのちぎり)
- 嫁鶏随鶏(かけいずいけい)
- 夫婦円満(ふうふえんまん)
- 家庭円満(かていえんまん)
自然界で鳥は、雄雌が仲の良い姿を多く見ます。古代の人は、その姿に夫婦の仲の良さを重ね合わせ鳥にちなんだ同義語「嫁鶏随鶏」が生まれたのでしょう。
また、現代において、その意味合いから「円満」と表現することで「夫唱婦随」の同義語になっています。
「夫唱婦随」の使い方
それでは「夫唱婦随」はどのように使われるのか、例文をご紹介していきます。
【例文】
- 「両親のような夫唱婦随の夫婦になりたいです。」
- 「近所でも評判の夫唱婦随の夫婦です。」
- 「何歳になっても夫唱婦随の夫婦でいたいとおもいます。」
- 「彼らは夫婦付随の夫婦で、今も新婚のようです」
- 「夫唱婦随の秘訣は思いやりですね。」
例文のように「夫唱婦随」は主従関係のような意味に捕らえられがちですが、古代から夫として妻としての役割を理解した上でその関係がうまくいくということが、どの例文からも伺えますね。
素敵な関係でいるための思いやり
ここまで「夫唱婦随」について解説してきました。
夫婦とは、他人の関係から苦楽を乗り越え、生涯をともに生きいく関係になっていくからこそお互いを思いやり労わる気持ちをもたなければいけません。
古代において夫は妻を労わればこそ、先頭に立ちアドバイスをすることが愛情であり、また妻は夫のそんな思いやりに感謝し従ってきたのでしょう。
現代社会において男女平等ではありますが、役割をして変わることのないものがあります。忙しい毎日につい忘れがちになる関係を、時々再確認することで「夫唱婦随の夫婦」という素敵な関係でいられるのかもしれませんね。
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