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戦国時代の大名といえば誰を思い浮かべますか?徳川家康・織田信長・豊臣秀吉の3人が有名ですが、忘れてはいけないのが武田信玄と上杉謙信です。ところで武田信玄といえば「風林火山」が有名ですよね。
ちなみに、「風林火山」の意味ってご存知でしょうか?
私は「風林火山」を武田信玄の代名詞としてしか知らなかったので、社会人サッカーの作戦会議で「風林火山をもとに作戦を立てよう」と言われた時、ポカンとなってしまいました。この時に知ったのですが、「風林火山」は武田信玄の代名詞としてだけでなく、きちんとした意味があったんですね。
この記事では「風林火山」の意味や語源、英語の表記や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「風林火山」の意味と語源
「風林火山」の意味
はじめに、「風林火山」の意味についてご紹介したいと思います。
まずは読み方ですが、「風林火山」は「ふうりんかざん」と読みます。
「風林火山」とは「時期や情勢に合わせて適切な行動をとる」という意味です。
つまり、「その時の状況に応じて、動き方や対処法を変える」ということなんですね。
「風林火山」の語源
次に、「風林火山」の語源についてご紹介します。
「風林火山」の語源は、武田信玄の軍旗に書かれている「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」という言葉にあります。これは「疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵し掠めること火の如く、動かざること山の如し」という言葉の略で、古代中国の「孫子」という兵法が書かれた書を参考にした「戦うための四つの心構え」を表した言葉です。
ここからは、これら四つの言葉の意味についてご説明したいと思います。
まず、「疾きのこと風の如く(はやきことかぜのごとく)」ですが、これは「動く時は風のように素早く」という意味があります。続いて「徐かなること林の如く(しずかなることはやしのごとく)」には、「林のように静かに構える」という意味があり、「侵し掠めること火の如く(おかしかすめることひのごとく)」には、「火のように激しく攻撃する」という意味、そして最後の「動かざること山の如し(うごかざることやまのごとし)」には、「山のようにどっしりと構えて動かない」という意味があります。
このように、「場面や時期に応じて戦い方を変える」という「風林火山の」のもともとの意味が、いつからか「時期や情勢に合わせて適切な行動をとること」という意味で使われるようになりました。
「風林火山」の英語表現と類義語
「風林火山」の英語の表現
続いて「風林火山」が英語でどのように表現されているのかをご紹介します。
- Whiriwinds,forests,flames,mountains(風林火山)
【例文】
- Flag of whiriwinds,forests,flames,mountains(風林火山の旗)
- Be based on a Fu-rin-ka-zan(風林火山が題材となっている)
「whiriwinds」は「旋風」や「つむじ風」、「forests」は「森林」、「flames」は「炎」、「mountains」は「山」なので、「Whiriwinds,forests,flames,mountains」は「風林火山」の漢字をそれぞれ英語で表したものとなっています。
また、「Fu-rin-ka-zan」のように日本語読みをそのまま英語に直して表現される場合もあります。しかし、これではただ漢字や読みを英語に直しただけで意味が伝わりませんよね。
「風林火山」が英訳して使われる事はほとんどありませんが、もし意味を伝えたい場合は以下の文で表現するといいかもしれませんね。
- Swift as the wind,silent as the forest,fierce as fire immovable as the mountain.(風林火山)
「swift as the wind」は「風のように速い」、「silent as the forest」は「森林のように静か」、「fierce as fire」は「火のように激しい」、「immovable as the mountain」は「山のように動かない」という意味があるので、「風林火山」の語源である「疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵し掠めること火の如く、動かざること山の如し」を表す英文となっています。
「風林火山」の類義語
次に「風林火山」と似たような意味をもつ言葉をご紹介していきます。
- 臨機応変(りんきおうへん)
- 当意即妙(とういそくみょう)
「臨機応変」は、「状況に応じて適切な行動をすること」「場合によって対応を変えること」という意味で、「当意即妙」は、「即座に機転をきかせて状況に合った対応をすること」という意味です。
どちらも「その場の状況に合わせて対応する」という部分が「風林火山」に似ていますね。
「臨機応変」「当意即妙」について、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「風林火山」の使い方
最後に「風林火山」の使い方を紹介します。
【例文】
- 「武田信玄と言えば、風林火山が有名だね」
- 「武田信玄と風林火山を題材にしたドラマがあるらしい」
- 「この試合は、風林火山の作戦で行こう」
- 「風林火山のように、状況に合わせた動き方をしよう」
- 「ビジネスでも、風林火山の心構えをしておくように」
「風林火山」は、最初にご紹介した「時期や情勢に合わせて適切な行動をとること」という意味ではなく、「武田信玄の代名詞」として使われる事が多いです。そのため、日常会話の中に出てくる機会はあまり多くありません。
ただし、例文のように「風林火山の作戦」や「風林火山の心構え」など、スポーツやビジネスなどで何かに対する戦略方法として使われる場合もあります。
「風林火山」には続きがあるって本当?
語源でご紹介した「疾きこと風の如く、徐かなること林の如く、侵し掠めること火の如く、動かざること山の如し」という言葉ですが、実は続きがあります。
続きは「知り難きこと陰の如く(しりがたきかげのごとく)、動くこと雷震の如し(うごくことらいしんのごとし)」で、「影のように知られないようにし、雷のように激しく動く」という意味があります。
どうして武田信玄はこの二つを「風林火山」の後につけなかったのか?ちょっと気になってしまいますよね。しかし、今のところその理由は分かっていません。
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