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文章を書くお仕事をしていると、「あの人の書く文は、まさしく一字千金…私はどうだろうか…」なんて考えてしまうことがあります。
「一字千金」。目標にしていますが、なかなか難しいです。
そもそもみなさんは、「一字千金」という言葉を聞いたことがありますか?
この記事では、「一字千金」の意味と語源、使い方の例文、類義語と英語表現をご紹介します。
「一字千金」の意味と語源
「一字千金」の意味
最初に、「一字千金」の意味をご紹介します。
まず読み方ですが、「一字千金」は「いちじせんきん」と読みます。
「一字千金」とは、「一文字が千金にも値するような、素晴らしく立派な文字や文章」という意味です。
「立派な文字や文章」なので、文章を書く小説家やライターなどだけでなく字を書く書道家の方も使える言葉ですね。
全く同じ意味で、「一言千金(いちげんせんきん)」という言葉もあります。
「一字千金」の語源
次に、「一字千金」の語源を紹介します。
その内容は、呂不韋という政治家が、自分で書いた書物をお披露目した際に「この書物の内容をたったの一文字でも指摘できる者がいたら、その者には千金を与える」と言い放ったという内容です。
呂不韋はその書物の内容に絶対の自信を持っていて、「素晴らしい文字や文章は大金に値する」という意味で生まれたのが、「一字千金」という言葉です。
呂不韋の書いた自信作、元祖「一字千金」の書物がどんなものなのか、気になりますね。
漢字を分けて見てみると、「一字」は「ひとつの文字、文章」という意味で、「千金」は「多額の金額」を意味しています。
「一字千金」の使い方
続いて、「一字千金」の使い方を例文でご紹介します。
- 「書道の先生をやっているおばあちゃんの字は、とてもしなやかなのに迫力もあって正しく一字千金だ。」
- 「彼女は本が大好きで、自分でも細々と小説を書いているらしく読ませてもらった。するとびっくり、あれはきっと一字千金の価値があると思う。」
- 「この作家さんは、本当に一字千金なんです。あなたの世界観も変わると思うので、是非読んでみてください。」
- 「私がこの仕事をしていく上での目標は、クライアントの方に一字千金だと思ってもらえるようになることです。」
- 「本当に素晴らしい書道家の方の字には、感情がこもっているように見える。これこそ一字千金というものなのだろう。」
「一字千金」は、「文字」や「文章」を表す言葉です。
例文のように、「一字千金だ」「一字千金です」と使うことが多い。
「一字千金の文章だ。」のように使ってしまうと、「一文字が千金にも値するような素晴らしく立派な文字や文章の文章だ。」というように二重になってしまうので気を付けましょう。
「一字千金」の英語表現と類義語
「一字千金」の類義語
それでは、「一字千金」の類義語を紹介します。
- 一字百金(いちじひゃっきん)
「一字百金」は、「一字千金」の「千」が「百」になった言葉ですね。
「一字千金」と同じような意味ですが、やはり百より千の方が優れているので、「一字千金」の方が上であると言えます。
「一字千金」の英語表現
最後に、「一字千金」の英語表記をご紹介します。
- Word of great value(一字千金)
【例文】
- This book is word of great value.(この本は言葉は、一字千金だ。)
- This book is word of great value to students of Music.(この本は、音大生にとって一字千金の言葉が書かれてある。)
「Word」は「単語」を意味しています。日本語では「言葉」でもありますね。
「great」は本来「(規模・程度が)大きい」という意味なのですが、ここでは「素晴らしい」のニュアンスで使われています。
そして「value」は「価値」を意味してるので、「word of great value」は「素晴らしい価値のある言葉」という直訳になっています。
まとめ
以上、「一字千金」について、ご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | いちじせんきん |
意味 | 一文字が千金にも値するような、素晴らしく立派な文字や文章 |
語源 | 中国最古の史記という書物の内容に対して、「指摘できる者には千金を与える」ということが由来 |
類義語 | 一字百金 |
英語表現 | Word of great value(素晴らしい価値のある言葉) |
「一字千金」、知れば知るほど、憧れてしまいます。
しかし「一字千金」に値する作品とは一回や二回の創作で創り出せるようなものではなく、きっと呂不韋も含め、そこに至るまでたくさんの努力を積み重ねてきたのでしょう。だからこそ呂不韋の自身に満ちあふれた態度は「呂不韋伝」として語り継がれ、こうして言葉の由来にまでなっているのでしょうね。
私もそこを目指して精進していきます。
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