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「開眼供養」は日常ではあまり聞きなじみがないかもしれません。しかし、お寺参りの際に「開眼供養」の文字を目にしたことがある人はいるのではないでしょうか?「開眼供養」とはどのような意味で、どんな場面で使われるのでしょうか。
この記事では「開眼供養」の読み方・意味・語源はもちろん、英語・類義語表現と使い方の例文をご紹介します。
「開眼供養」の意味や語源
「開眼供養」の意味
「開眼供養」は、「かいげんくよう」と読みます。
「開眼供養」とは、「新しく作られた仏像を祀る際に、最後に目を描く儀式」という意味です。
「開眼法要」とも言います。彫刻で掘られる、または描かれた仏像は最後に目を入れることで、魂が宿り霊力が入ると言われています。
「開眼供養」は、仏像や仏画には欠かせない儀式となっています。
「開眼供養」の語源
天平勝宝4年4月9日に、東大寺大仏の「開眼供養」が日本で初めて行われたことで有名です。
仏教を篤(あつ)く信仰していた聖武天皇は、疫病や飢餓に苦しむ民衆を救い、社会を安定させるため、東大寺に盧舎那仏(るしゃなぶつ)という大仏を建立し、全国に国分寺・国分尼寺を配置しました。当時中国では大仏は造られていましたが、東大寺の大仏は世界初の黄金の大仏です。建立に10年の歳月をかけて、ようやく完成しました。
現在も残る東大寺の大仏が造られた背景には、当時の社会状況の混乱があったのですね。
「開眼供養」の英語表現と類義語
「開眼供養」の英語表現
「開眼供養」は、英語で以下のように表すことができます。
【例文】
- The ceremony to consecrate the Great Buddha
日本語に直訳すると、「大仏を捧げる儀式」となります。
「ceremony」とは「儀式、儀礼」を表す言葉です。「consecrate」という動詞は宗教的な意味で使われ、「~に捧げる、奉献する」という意味です。大仏は英語で「the Great Buddha」となります。
「開眼供養」は、仏教用語のため英語圏ではあまり使われない言葉ですが、例文のような表現でニュアンスを伝えることは可能です。
「開眼供養」の類義語
「開眼供養」の類義語は、以下の言葉です。
- 御移徙(おたまわし)
- 御入仏法要(ごにゅうぶつほうよう)
「御移徙」とは、「渡っておいでになる」という意味で、古くは貴族の住居の転居を表します。御本尊をお迎えして安置する法要のことを指します。
「御入仏法要」とは、浄土真宗においてお墓や仏壇を新しく家に迎えた時に行う儀式のことです。「お性根を入れる」という言葉も用います。真新しいお墓・仏壇に魂入れの儀式を行い、儀式後礼拝の対象となります。
「開眼供養」の使い方
それでは、「開眼供養」の使い方を例文で見ていきましょう。
【例文】
- 「日本で初めて開眼供養が行われたのは、奈良時代である。」
- 「大雨のため、開眼供養は延期となった。」
- 「本殿の修復が未完のまま、開眼供養を行った。」
- 「地震により、開眼供養前の大仏が倒壊した。」
- 「ついに大仏の開眼供養がしめやかに営まれた。」
「開眼供養」は仏教的な意味で使われる用語です。それ以外の文脈で使われることはほとんどありません。そのため、日常会話や新聞等ではあまり馴染みのない表現かもしれませんね。「仏像が完成されたことを祝う儀式」であることは、少なくとも知っておきましょう。
ご供養は大切に
「開眼供養」とは、新しく造られた仏像に魂を込める儀式です。
日本において、仏教の考えは日常生活に深く根付いています。昔から、仏教を重んじた政治を天皇が行なった歴史をもっており、現在でもお盆やお彼岸などの仏教法要が一般によく知られています。
仏や先祖に感謝し、時にはお墓参りやお寺参りに足を向けてみるのもいいですね。
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