Contents
この記事は、約8分で読むことができます。
「味がある」とか「面白い」などと人から言われると、なんだか嬉しくなりますよね。
しかし、反対に「つまらない人」や「興味がない」などと言われると、否定されたような気分で非常に悲しくなります。
さて、興味がないことを表す四字熟語に「無味乾燥」という言葉がありますが、なんだかパサついた味気のない食べ物のような気がしますね。
普段の生活であまり聞かない言葉ではないでしょうか。
この記事では、「無味乾燥」の意味と語源、英語表現と類義語、使い方の例文をご紹介していきます。
「無味乾燥」の意味と語源
「無味乾燥」の意味
最初に、「無味乾燥」の意味をご紹介します。
まず読み方ですが、「無味乾燥」は「むみかんそう」と読みます。
「無味乾燥」は、「何の面白みも味わいもない様子」という意味です。
「無味乾燥」は、味も素っ気もない人や場所、話などのことを例えた言葉です。
「無味乾燥」の語源
続いて、「無味乾燥」の語源をご紹介します。
まず、「無味乾燥」を二語に分けて解説します。
- 「無味」とは「味、うまみがない」「面白み、風情がない」という意味
- 「乾燥」は「物の水分が無いこと」「乾く、物事に潤いや趣がない」というの意味
次に、「無味乾燥」の言葉の由来をご紹介します。
この「無味乾燥」は、中国春秋戦国時代の思想家である老子の思想です。
老子は、同じく中国春秋戦国時代の思想家である孔子の儒教(教え)を非難していました。
具体的には、
孔子の「学問を学び人徳のある物として生きることで、国と民を救い政治を行っていく」という思想に対して、「世界の万物は、人を慈しむ心を持っておらず人間になど興味はない。たとえそれが人徳を持った人であっても、民のことなどには関心がない。それは祭りなどで使う飾りの人形を、祭りのあとにうち捨てることと同じくらいに、国や民に興味がなく何の感情もない」と老子は言いました。
老子は、「この世の中は無情である」ということを言っているようです。
興味が無いや感情が無いことから、この老子の言葉を「無味乾燥」と言うようになりました。
「無味乾燥」の英語表現と類義語
「無味乾燥」の英語表現
次に、「無味乾燥」の英語表現をご紹介します。
- tasteless dry(無味乾燥)
- dull and uninteresting(無味乾燥)
- boring(無味乾燥)
【例文】
- His talk is dull and uninteresting everyday.(彼の話は、いつも無味乾燥だ。)
- Today’s game is boring.(今日の試合は、無味乾燥だ。)
「tasteless」は「味が無い(無味)」、「dry」は「乾燥」ですね。
「interesting」は「面白い」という意味で、「uninteresting」と「un」という否定の語が付くことで反対の意味になります。
「boring」は「退屈」という意味で、そのまま使えます。
四字熟語の英語表現を、ビジネス場面別でまとめてみました。
ビジネス英語として実践で使える四字熟語30選【英語勉強アプリもご紹介】
「無味乾燥」の類義語
それでは、「無味乾燥」の類義語をご紹介します。
- 興味索然(きょうみさくぜん)
- 千篇一律(せんぺんいちりつ)
- 十年一日(じゅうねんいちじつ)
「興味索然」は、「関心が無くなって、面白くない様子」という意味です。意味そのものが「無味乾燥」とほぼ同じと言えます。
「千篇一律」は、「どれもこれも変わり映えがせず、同じ調子や同じ体裁で面白みがないこと」という意味です。「代り映えせず面白みがない」というところが、「無味乾燥」に似ていますね。
「十年一日」は、「長きにわたって、何の変化もないさま」という意味です。「変化がない」という点が「無味乾燥」と同じですね。
「千篇一律」「十年一日」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「千篇一律」とは?意味と語源、使い方の例文【類義語と英語表現】
「十年一日」とは?意味と語源、使い方の例文【類義語と英語表現】
「無味乾燥」の使い方
最後に、「無味乾燥」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「君の提案は、無味乾燥で話にならない」
- 「この前、先輩に無味乾燥な人だと言われてショックを受けた」
- 「この本は勉強になると思って借りたけれど、とても無味乾燥で読む価値がない」
- 「無味乾燥と言われないように、色々な知識を得たい」
- 「この素晴らしい景色を見て、無味乾燥とは君の方がつまらないな」
「無味乾燥」は、「退屈」「つまらない」などの場面で使います。
「無味乾燥で~」「無味乾燥な~」という形容詞、「無味乾燥だ」と名詞で使われることがあります。
自分が「無味乾燥」と言われると、やはり自分を否定された気持ちになって落ち込みますね。
まとめ:「無味乾燥」な人間はいない
以上、「無味乾燥」について、ご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | むみかんそう |
意味 | 何の面白みも味わいもない様子 |
語源 | 中国春秋戦国時代の思想家である孔子の儒教である教えを、「この世の中は無情である」ということで非難した、同じ思想家である老子の言葉が由来。 |
英語表現 | ・tasteless dry(無味乾燥) ・dull and uninteresting(鈍くて面白くない) ・boring(鈍い、退屈) |
類義語 | ・興味索然(きょうみさくぜん) ・千篇一律(せんぺんいちりつ) ・十年一日(じゅうねんいちじつ) |
「無味乾燥だ」と言われると、つまらない人と言われているようで悲しい気持ちになりますね。
しかし、人間は色々な考えの人がいて、個性はすべての人間が持ち合わせています。
それを表に出すか出さないかで、「面白い」「面白くない」を他人が勝手に判断しているだけです。
「無味乾燥」な人間などいないのです。
自分の考えをいつもと違う方法で表現してみると、面白みが出るのではないでしょうか。
「無味乾燥」は言われるとショックを受ける人がいるので、人に対してはあまり使わないほうが良いでしょう。
コメントを残す