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戦争が終わってから現代まで、時代の速さをものすごく感じます。
と言っても私は戦争を体験していないので解りませんが、戦後、おおよその日本人は人力で何かを作業をしていたに違いないと思うのです。
しかし、最近は機械がほとんどのことをやってくれます。
最初こそ「そんなの自分でやればいいのに」と思いましたが、全自動洗濯機のありがたさやスマートフォンの便利さだけでなく、お掃除ロボットの羨ましさ…私の生まれた頃はおそらく夢のまた夢だったのではないかと思います。
こんな感じで、波のように時代が激しく変化していくことを「疾風怒濤」と言います。
この記事では、「疾風怒濤」の意味や語源、英語・類義語の表現や使い方の例文をご紹介します。
「疾風怒濤」の意味と語源
「疾風怒濤」の意味
それでは「疾風怒濤」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「疾風怒濤」は「しっぷうどとう」と読みます。
「疾風怒濤」とは「激しく吹く風と荒れ狂う波、また時代が激しく変化する」という意味です。
ドイツの文学運動の名称「シュトゥルム・ウント・ドラング」の和訳と言われています。
「疾風怒濤」の語源
続いて「疾風怒濤」の語源をご紹介します。
1760年代終わりから1780年代半ばにかけて「シュトゥルム・ウント・ドラング」と呼ばれるドイツの文学運動がありました。
この文学運動は、古典主義や啓蒙主義(けいもうしゅぎ)に反発したりと、文学の革命を劇作家ゲーテなどが中心に起こした運動のことを言います。
ドイツの劇作家であるフリードリヒ・マクシミリアン・クリンガーが1776年に書いた「シュトゥルム・ウント・ドラング」の戯曲(ぎきょく)の名前が由来です。
「シュトゥルム・ウント・ドラング」はドイツ語の直訳で「嵐と衝動」という意味です。
これを日本人のドイツ文学者である高橋健二が「疾風怒濤」と訳し日本に紹介したのが始まりです。
この文学運動の内容と「疾風怒濤」の現在の意味は直接関係がありませんが、「シュトゥルム・ウント・ドラング」という文学運動による激しい文学の変化があり、直訳の「嵐と衝動」から「疾風怒濤」という四字熟語が誕生したのです。
「疾風」というのは「速く吹く風」という意味です。
「怒涛」とは「激しく打ち寄せる波」という意味で、「怒」という漢字が付いているので「怒る」という意味に思えますが、人が怒ることを言うのではなく「濤」という「大きくうねる波」が怒ることを表しています。
「疾風怒濤」とはまさに「嵐」のことなのです。
「疾風怒濤」の英語表現と類義語
「疾風怒濤」の英語表現
それでは、「疾風怒濤」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- Storm and stress(疾風怒濤)
【例文】
- Era of storm and stress(疾風怒濤の時代)
- It came a population of storm and stress(疾風怒濤の集団がやってきた)
「storm」は「嵐」という意味です。
「stress」は「圧力・応力・緊張・重圧」など様々な意味があり、この場合は「重圧・圧力」です。
「疾風怒濤」の類義語
次に、「疾風怒濤」の類義語をご紹介します。
- 狂瀾怒濤(きょうらんどとう)
「狂瀾怒濤」は「ひどく乱れて手の施しようのない様子、荒れ狂いさかまく大波」という意味です。
波が荒れているということは「疾風怒濤」とよく似ているところですね。
「疾風怒濤」の使い方の例文
最後に、「疾風怒濤」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「新しいアイドルの時代が、疾風怒濤の如く押し寄せてきた」
- 「スマートフォンの普及により、インターネットが疾風怒濤の勢いだ」
- 「災害が日本を疾風怒濤の如く攻撃してくる」
- 「地球温暖化が疾風怒濤の勢いで進んでいる」
- 「中国の自転車の時代は去り、疾風怒濤の如く自動車が町中を走っている」
「疾風怒濤」は、ものすごい勢いで変化しようとしていることを表す場合に使用されます。
「疾風怒濤の(如く)」「疾風怒濤の(勢い)」などと使われることが多いですね。
「疾風怒濤」は改革の力
「疾風怒濤」は意味が「激しく吹く風と荒れ狂う波」なので一見厳しそうな場面で使用される言葉かと思うのですが、この「激しい風と波」は大きな変化・改革を意味しています。
改革をするということは厳しいこともたくさんあります。
改革は新しい時代を築く上で大切なことです。
漢字の見た目と違い、「疾風怒濤」は未来を変えるための力を意味しているのです。
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