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あなたのまわりの人もしくはあなた自身、飛びぬけて素晴らしい才能をお持ちでしょうか。「天下無双」という、とても優れているものを表す言葉があります。では「天下無双」とは、どのくらい優れているのでしょう。クラスで1番くらいなのか、街で1番くらいでしょうか。それとも世界一?
「天下無双」の使うタイミングがよく解らないというあなたに、この記事では「天下無双」の意味や語源、英語・類義語の表現や使い方の例文をご紹介します。
「天下無双」の意味と語源
「天下無双」の意味
それでは「天下無双」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが「天下無双」は「てんかむそう」と読みます。
「天下無双」とは「世の中に並ぶ者がいないほど、すぐれている様子または人」という意味です。
「天下」は「全世界、国全体、世の中」ということで、「無双」とは「二つと存在しない」ということです。「無双」は「むそう」と読むほかに「ぶそう」とも読みます。
「天下無双」の語源
続いて「天下無双」の語源をご紹介します。
中国前漢の武帝(ぶてい)の時代に歴史家、司馬遷(しばせん)によってまとめられた歴史書、「史記」の李将軍伝(りしょうぐんでん)に次のように記されています。
「李広(りこう)の才気、天下無双なり」
意味は「李広の才気は世の中に並ぶものはありません。ですが、自らその才能を信用して、匈奴(キョウド)を敵として戦っている最中であります。これでは、おそらく李将軍を死なせてしまうでしょう」
前漢(ぜんかん)の時代に匈奴の侵略に対し将軍の李広(りこう)さんが大活躍をしました。
「匈奴」とは、紀元前4世紀頃にモンゴル高原から南ロシアの草原地帯に出現した騎馬遊牧民族です。
李広さんの活躍を心配して、異民族を管理する役職であった公孫昆邪(コウソンコンヤ)さんが、時の皇帝に報告した時に出た言葉なのです。
公孫昆邪さんは李広さんが自分の力を過信しすぎて失敗するのではないかと思ったのです。
「天下無双」とは才気溢れる武将を心配したことから出来た言葉なんですね。
「天下無双」の英語表現と類義語
「天下無双」の英語の表現
次に「天下無双」は英語でどのように表現されているのかご紹介します。
- Peerless(無比の、無双の、比類のない)
【例文】
- a peerless beauty(天下無双の美形)
- a peerless scholar(比類なき学者)
「peerless」は形容詞で、「peer(仲間)」+「less(より少量の)」という単語を合わせて「Peerless」という単語ができています。
「peerlessly」は 副詞で「比類のない状態で」「無比に」「無双に」という意味で、名詞になると「peerlessness」で「無双」「比類のないこと」「無比」という意味です。
「天下無双」の類義語
「天下無双」と似た意味を持つ言葉をご紹介します。
- 天下第一(てんかだいいち)=この世に類を見ないほど立派であること
- 海内無双(かいだいむそう)=この世に並ぶものがないほどすぐれていること
- 国士無双(こくしむそう)=比類なき国士
- 古今独歩(ここんどっぽ)=昔から今に至るまで比べる物がないほどすぐれていること
- 古今無双(ここんむそう)=昔から今まで並ぶものがないこと
- 天下無類(てんかむるい)=世の中につりあうものが存在しないほどすぐれていること
「天下無双」の類義語はこんなにたくさんあるんですね。しかし実際よく目に付くのは「国士無双」くらいでしょうか。
「国士無双」は「国の中で」と範囲が限られています。「天下無双」は世の中ですから世界中、もしくは宇宙中のこととも言えますね。
最上級の褒め言葉でもある「国士無双」は、「天下無双」に限りなく近い類義語と言えるでしょう。
「天下無双」の使い方
最後に「天下無双」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「君の大工の腕は天下無双だから歴史的建造物の修復を任せたい」
- 「天下無双のギターリストは世界中どこで演奏しても人々を魅了する」
- 「当たり前だと思っていた自分の早食いの才能が天下無双だったとは知らなかった」
- 「我が国のロケットは世界最先端技術で天下無双である」
- 「僕に天下無双と言われる才能が実は隠されているかもしれない」
「天下無双」とは本当に優れている才能に対して使う言葉です。
使う場面にご注意
「天下無双」は主に人や物を褒める時に使用される言葉ですが、「ちょっとやそっとの才能」を褒める場合はあまり使わない方が良いでしょう。
「天下」なのですから、「とても優れていて、世の中どこを探してもこんなものはないのでは?」と思うときに使います。それくらい「天下無双」の才能というのは希少なものなのです。
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