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ここぞというときに必要なものを探すとき、小さい物に限って見つからないものですよね。
普段絶対探さないようなカーペットの裏やタンスの隙間の「一木一草」を探して、結局自分の部屋の机の上においてあるという経験など、誰しも一度はしたことがあるのではないでしょうか。
ところで、「一木一草」の意味をご存じでしょうか。
この記事では、「一木一草」の意味と語源、使い方の例文、類義語と英語表現をわかりやすくご紹介します。
「一木一草」の意味と語源
「一木一草」の意味
最初に、「一木一草」の意味をご紹介します。
まず読み方ですが、「一木一草」は「いちぼくいっそう」と読みます。
「一木一草」とは、「そこにあるすべてのもの、またわずかなもの」という意味です。
「一草一木」と表現することもありますが、同義です。「細かいものまで全部」という意味と、「きわめて小さい、細かいもの」という意味を持ちます。
「一木一草」の語源
続いて、「一木一草」の語源をご紹介します。
「一木」と「一草」に分けてご紹介します。
「一木」は「一本の木」を表し、「一草」は「一本の草」を表しています。
つまり「一木一草」は「一本の木と一本の草」が直訳となるわけです。
元々「一木一草」は、日本の寺や城に代表される和風庭園を指して表現された言葉で、世話の行き届いた一本一本の木や草を指し、「そこにあるすべてのもの、わずかなもの」と表現されています。
庭園に生い茂っている木や草を見て言葉を作るなんて、文学的で有意義な空間だったに違いありませんね。私もそのような空間でのんびりしたいものです。
「一木一草」の使い方
次に、「一木一草」の使い方を例文でご紹介します。
- 「このあたりの土地は、ひどいありさまだな。一木一草さえ存在しないな。」
- 「一木一草まで部屋のレイアウトは君に任せるよ。」
- 「ここにあるものの一木一草は、デザイナー自身がセレクトしました。」
- 「一木一草に至るまで人任せにするな。少しは自分で考えることだ。」
- 「この彫刻は、一木一草まできちんとこだわられている。ついつい魅入っちゃうよ。」
「一木一草」は「そこにあるすべてのもの、またわずかなもの」という意味です。
使い方としては、「一木一草まで~」や「一木一草は~」という形で用いられます。
「一木一草」は、ものに向かって用いる言葉です。「君は一木一草まで気を遣っている」は誤用なので注意してください。その人自身の性格や、身体的特長に関して用いることはできないと押さえておきましょう。
「一木一草」の類義語と英語表現
「一木一草」の類義語
「一木一草」の類義語をご紹介します。
- 有象無象(うぞうむぞう)
- 事事物物(じじぶつぶつ)
「有象無象」は、「この世に存在するすべてのもの」という意味です。「象」は「かたち」という意味で「形あるものもないものも」というのが由来となっています。「一木一草」よりスケールが大きく「全世界のうち」というイメージが強いです。
「事事物物」は、「あらゆる物事」という意味です。「ことがら」を意味する「事物」を反復表現することで強調した熟語です。「一木一草」と違って「事柄、事件」に限定して用いることができます。
「有象無象」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「一木一草」の英語表現
次に「一木一草」の英語表現をご紹介します。
- every stick and stone(一木一草)
【例文】
- Please be careful! Search every stick and stone.(気を付けて下さい。一木一草に至るまで探すのよ。)
- This sculpture is so beautiful. Every stick and stone be concerned.(この彫刻は、とても美しい。一木一草にまでこだわっている。)
「stick」は「棒」、「stone」は「石」を表しており、「すべての棒と石」が直訳です。英語版「一木一草」です。
もちろん直訳の「a single tree or blade of grass」と表現することもできますが、英語圏の人々にとっては「every stick and stone」のほうがより馴染みがあります。
まとめ
以上、「一木一草」について、ご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | いちぼくいっそう |
意味 | そこにあるすべてのもの、またわずかなもの |
語源 | 「一木」=「一本の木」、一草=「一本の草」 和風庭園にある一本一本の木や草を指している |
類義語 | 有象無象、事事物物 |
英語表現 | every stick and stone(すべての棒と石) |
「一木一草」は「全部」や「あらゆるもの」と表現する際に用いると、なんとも文学的でかっこいいですよね。ぜひ押さえておきましょう。
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