「下学上達」とは?意味と語源、英語表現と類義語【使い方の例文】

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突然ですが、あなたは「こんな単純作業を毎日続けていて、いつになったら一人前になれるのだろうか」「こんな基礎練習ばっかりで、上達するんだろうか」と、将来に対して心配になったことはありませんか。

そんな時、思い出してほしいのが「下学上達」という言葉です。

コツコツ努力を重ねることの大切さを忘れないためにも、ぜひ心に留めていただきたい四字熟語です。

では、この「下学上達」とはどんな意味で使い方があるのでしょうか。

この記事では、「下学上達」の意味や語源、英語表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。

 

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「下学上達」」の意味と語源

「下学上達」」の意味

それでは、「下学上達」の意味をご紹介します。

まずは読み方ですが、「下学上達」」は「かがくじょうたつ」と読みます。

「下学上達」とは、「身近でわかりやすいことから学び始めて、やがて深い学問に進んでいくこと。」という意味です。

「下学上達」の語源

続いて、「下学上達」の語源をご紹介します。

「下学」は、初歩から学ぶことです。

「上達」は、高いレベルに到達することを意味します。

「下学上達」は中国の古典『論語』に由来しています。「子曰く、天を怨みず、人を尤めず、下学して上達す。我を知るは其れ天か。」という一節から来ています。

内容の現代語訳を見てみましょう。

孔子は「誰も私のことをわかってくれない」と嘆いていました。

これに対し、弟子の子貢(しこう)は「先生のことを分かってくれる者がいないなんてこと、あるわけないじゃないですか」と言います。

孔子『これまで、不運だった時も天を恨んだり、人を非難したりしたことはなかった。身近なことから学んで、深い学問まで到達してきたけど、誰もわかってくれない。私のことを理解してくれるのは天だけか』

中国のみならず日本人の思想にも影響を与えた孔子であっても、初歩から地道に学んでいったことがわかりますね。

 

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「下学上達」の英語表現と類義語

「下学上達」の英語表現

では、「下学上達」の英語表現をご紹介します。

  • beginning one’s studies with something familiar and gradually increasing the depth of learning(下学上達)

「familiar」は「身近な、よく知っている」、「gradually」は「段々に、次第に」、「depth of learning」は「学びの深さ」という意味です。

直訳すると「勉強はなじみ深いところからはじめると徐々に学びが深くなる」という意味です。

「下学上達」の類義語

次に、「下学上達」の類義語をご紹介します。

  • 下学之功(かがくのこう)
  • 粒粒辛苦(りゅうりゅうしんく)

「下学之功」は「初めは簡単なことから学んでいき、少しずつ難しいことを学んでいくこと」であり、「下学上達」とほぼ同じように使います。

「粒粒辛苦」は「努力や苦労を少しずつ積み重ねていくこと」という意味です。どちらかといえば学問に対して言うことが多いです。

どちらも、コツコツ努力する大切さを伝える四字熟語です。

ちなみに、「下意上達(かいじょうたつ)」は漢字が似ていますが、全く別の意味ですので注意しましょう。

「下意上達」とは、下の者の意見や気持ちが上の者によく通じること。いわゆるボトムアップのことです。

 

「下学上達」の使い方の例文

最後に、「下学上達」の使い方を例文でご紹介します。

【例文】

  1. 「簡単な仕事をおろそかにしてはいけません。真剣に向き合えば、下学上達して深い真理に気づくこともあります。」
  2. 「雑務しかしていないと嘆くことはありません。下学上達、ここから地道に頑張ればいずれ大きなプロジェクトにも抜擢されるでしょう。」
  3. 「美味しい料理を作るのも下学上達、包丁の持ち方や目玉焼きの作り方から教えます。」
  4. 「下学上達というように、英語の勉強はまずABCから始めてみます。」
  5. 「下学上達を心掛けて、一つ一つの課題に着実に取り組んでほしいと思います。」

「下学上達」はがんばっている相手を励ましたり、勇気づけたりするときに使うことができます。

また、自分が努力を続けていることについて話すときにも使えますね。

使い方としては、「(初歩や基礎)すれば下学上達して~(上達や努力に結果)できるでしょう」「下学上達を心掛け~」と使うことが多いです。

 

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地道な努力がいずれ花開く「下学上達」

「下学上達」は、勉強でもビジネスでも使える四字熟語です。

いきなりハイレベルなことを学んでも、基礎を理解していないと、新たな問題が起きた時に対処することはできません。

自分で試行錯誤しながら学んでいったことが、いずれ大きな壁に当たった時に役立ちます。

どうしても早く前に進みたいという気持ちはわかりますが、日々の積み重ねが大切なことを忘れないために、「下学上達」を意識的に使っていくのも良いでしょう。

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