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私たちは日々、環境の変化に影響を受けながら生きています。
例えば運動会などはグラウンドで行われることが多いと思います。多くの人が一同に走ったりすることで、土ぼこりが舞い上がることがありますね。「黄塵万丈で自分の子供が見えない」などといった場面を経験したことのある方もいるのではないでしょうか。
さて、「黄塵万丈」、皆さんはこの言葉の意味を理解しているでしょうか。
この記事では、「黄塵万丈」の意味や語源、英語表現や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「黄塵万丈」の意味と語源
「黄塵万丈」の意味
それではまず、「黄塵万丈」の意味をご紹介します。
まずは読み方ですが、「黄塵万丈」は「こうじんばんじょう」と読みます。
「黄塵万丈」とは、「強い風に吹かれ、黄色の土ぼこりの煙がもうもうと空高く舞い上がっているさま」という意味です。
「黄塵万丈」は、主に、屋外での様子を表す際に使われるもので、黄色い土煙が風に吹かれ空高く立ち上るイメージを表します。
「黄塵万丈」の語源
続いて、「黄塵万丈」の語源をご紹介します。
「黄塵万丈」の漢字から二語に分けて紐解いていきます。
「黄塵」は黄色い土煙を表します。「黄色い塵」、つまり黄色い土埃という意味になりますね。「万」は非常に多いさまを表し、「丈」は中国で用いられる長さの単位です。「万丈」で、非常に高いさまを表します。
「黄塵万丈」という漢字から、黄色い土煙が高く上がるさまが読み取れると思います。
春になると日本に中国大陸方面から飛んでくる細かい砂粒、「黄砂」がありますよね。この「黄塵万丈」という言葉がよく使われるようになったのは、主に江戸時代の鎖国後です。大正時代になると、「黄塵」は春の季語として俳句などでも使われるようになりました。
「黄塵万丈」は、黄色い塵が非常に高く舞い上がるという、屋外での物理的な様子をイメージすることができると思います。
「黄塵万丈」の英語表現と類義語
「黄塵万丈」の英語表現
次に、「黄塵万丈」の英語表現をご紹介します。
- clouds of dust with wild wind(黄塵万丈)
【例文】
- The truck drove away, leaving clouds of dust with wild wind.(黄塵万丈の中、トラックが走り去った。)
- Blown clouds of dust with wild wind choked the riders.(黄塵万丈がライダーの行く手を塞いだ。)
「clouds of dust」には「もうもうとする砂塵」という意味があり、「with wild wind」には「強い風によって」という意味があります。
これまでも何度も出てきていますが、合わせると「強風で黄色い土ぼこりが空高く舞い上がる」といった直訳です。
「黄塵万丈」の類義語
「黄塵万丈」の類義語をご紹介します。
- 浮遊粉塵(ふゆうふんじん)
- 黄砂(こうさ)
「浮遊粉塵」は環境用語であり、自分の重さでは落下せずに空気中を極めて微細な粒子が浮遊することを言います。「黄塵万丈」は土ぼこりがもくもくと立ち上るさまを表しますが、「浮遊粉塵」は空気中を粒子が浮遊するといった意味を持ちます。
「黄砂」はご存知のとおり、特に中国などで天空を覆う黄色の砂ぼこりのことです。「黄塵万丈」は黄砂だけにとどまらない土ぼこりを指すのに対し、「黄砂」はあくまでも黄色の砂ぼこりのことを指します。
「黄塵万丈」の使い方
最後に、「黄塵万丈」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「運動会があったんだけど、黄塵万丈のありさまで体じゅうほこりだらけになってしまったよ」
- 「黄塵万丈で走っている姿は、とてもかっこよかったよ」
- 「黄塵万丈で街がくすんでいる」
- 「外が黄塵万丈で、目に砂が入って痛かった」
- 「黄塵万丈の風がすごいね」
「黄塵万丈」は、黄色い土ぼこりが空高く舞い上がるさまを表す言葉であり、外での状況を指して使われます。
「黄塵万丈で大変だったよ」「黄塵万丈の中頑張って走った」などと使用されることが多いですね。
土ぼこりが立ち上る様子「黄塵万丈」
いつも澄んだ空気の中で過ごせれば良いのですが、グラウンドなど土がむき出しになっている土地や時期によっては、コンクリート上でも空気中を覆う黄色い土ぼこり。
黄砂や運動会など、避けられない場面も多くあります。
どれも環境によるものではありますが、皮膚や目などを傷つける恐れもありますので「黄塵万丈」にはお気をつけください。
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