Contents
この記事は、約6分で読むことができます。
あなたは、織田信長と聞けば何を思い浮かべますか?大河ドラマや歴史に詳しい人であれば、「天下布武」という言葉が思いつくかもしれませんね。私は歴史に詳しくないので、「天下布武」という言葉を聞いても意味が分かりませんでした。日常会話の中には出てこない言葉なので、もしかしたら私のように意味だけでなく読み方すら知らない人も少なくないのかもしれませんね。
この記事では「天下布武」の意味や語源、英語の表記や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「天下布武」の意味と語源
「天下布武」の意味
はじめに、「天下布武」の意味についてご紹介したいと思います。
まずは読み方ですが、「天下布武」は「てんかふぶ」と読みます。
「天下布武」とは、織田信長が行った政策の一つで、「天下に七徳の武を布く」という意味です。
つまり、「七徳の武をもった人が天下につく」といったニュアンスの言葉ですね。織田信長が自身の印章に刻んだ言葉としても有名です。
「天下布武」の語源
次に、「天下布武」の語源についてご紹介します。
「天下布武」の語源は、中国の「春秋左氏伝」の中にある「七徳の武を備えた者が天下を治めるのにふさわしい」といったところにあります。「七徳の武」とは、次の七つです。
- 暴を禁じる
- 戦をやめる
- 大を保つ
- 功を定める
- 民を安んじる
- 衆を和す
- 財を豊かにする
つまり、「天下布武」の「武」は、この七徳の武を表しているんですね。「天下」には、「全世界」や「国全体」「実権を握って思うままに振る舞う」という意味があり、「布」には「広く行き渡らせる」という意味があります。
なので、「天下布武」をこれらの意味に当てはめると、「七つの武を広く行き渡らせて世の中の実権を握る」などということになります。
織田信長は、「この七つ武を備えて天下を取る!」という決意の表れとして、この言葉を自身の印章に刻んだんですね。
「天下布武」の英語表現と類義語
「天下布武」の英語の表現
続いて「天下布武」が英語でどのように表現されているのかをご紹介します。
- Tenkahubu(天下布武)
【例文】
- He aimed to Tenkahubu(彼は天下布武を目指した)
- A seal of a Tenkahubu(天下布武の印章)
英語では「天下布武」を表現する単語がありません。そのため、ほとんどの場合が「Tenkahubu」という風に、ローマ字表記になります。「天下布武」は、英語ではあまり馴染みがなく、ほとんど使われることのない言葉なんですね。
「天下布武」の類義語
次に「天下布武」と似たような意味をもつ言葉をご紹介していきます。
- 天下統一(てんかとういつ)
- 世界征服(せかいせいふく)
「天下統一」とは、「特定の地域を一つにまとめること」という意味です。「天下布武」と意味は違いますが、「天下を治める」といったニュアンスの言葉なので、「天下布武」と似ていると言えます。
「世界征服」は、そのまま「世界を征服すること」という意味です。世界中の全ての国家を制圧して支配するということなので、「実権を握る」といった部分では「天下布武」と同じですね。
「天下布武」の使い方
最後に「天下布武」の使い方を紹介します。
【例文】
- 「織田信長は、天下布武を目指した」
- 「天下布武の印章が使われていた」
- 「天下布武による天下統一」
- 「天下布武は、信長の意思の表れだ」
- 「天下布武のために尽力する」
まず、この「天下布武」は現代の日常会話で使うことは、まずありません。
「天下布武」という言葉は、織田信長に関する話の中で使われることが多くなっています。
「天下布武」は織田信長が行った政策の一つで、織田信長の代名詞といっても過言ではありません。大河ドラマの中では頻繁に出てくる言葉でもありますので、歴史が好きな人は覚えておくといいかもしれませんね。
「天下布武」の意味は勘違いされやすい
「天下布武」で使われている「武」は、語源のところでご紹介した通り「七徳の武」を表したものです。しかし、「天下布武」の言葉に「武」が含まれていることから、「武装」「軍隊」「戦い」をイメージする人も多いのではないでしょうか。実際に「武力で国を治める」や「武力で国を支配する」など、間違った意味で訳されていることが多くあります。そのため、「天下布武」の英訳を探そうとすると、「軍」を意味する「military」や「力」を意味する「force」を使った英訳が多く見られます。
「天下布武」の「武」は「軍事力」や「武力」を表す言葉ではありませんので、間違った意味や訳に惑わされないよう注意しましょう。
コメントを残す