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「年功序列」という言葉には良いイメージもあり、悪いイメージもあります。学生の頃は、先輩が「目上」とか「優先」という固定観念がどこかにあって、ほとんど気にしてはいませんでした。社会に出てから「これはどうなんだろう?」と上司や先輩に対して思ったり、見知らぬ年輩の人から命令口調で何か言われたりして「なぜ偉そうなんだろう?」とか思うようになりました。
今なら、その当時の風潮だったのだろうとか思えるのですけどね。
この記事では「年功序列」の意味や語源、英語の表記や類義語、使い方の例文をご紹介します。
「年功序列」の意味と語源
「年功序列」の意味
はじめに、「年功序列」の意味についてご紹介したいと思います。
まずは読み方ですが、「年功序列」は「ねんこうじょれつ」と読みます。
「年功序列」とは「勤続年数や年齢などの要素を重視して、組織内での役職や賃金を決めること。また、その体系」という意味です。
つまり、「勤続年数が長い」「年齢が高くなる」ことで「スキルやノウハウが蓄積されている」となり「組織にとって重要度が高い」から「役職がつく」「賃金が上がる」ことを表す言葉です。
「年功序列」の語源
次に、「年功序列」の語源についてご紹介します。
「年功」は「長年にわたる功労や功績」「長年の積み重ねで得た技術や経験」という意味です。「序列」は「一定の基準に従って並べた順序」という意味で、「勤続年数や年齢が増すに従い、地位や賃金が上がる」ことを表します。
発想の起源は徳川家康の後継者問題です。後継者を決める際、抜きんでた才能の持ち主ではなく、候補の中で最も平凡だった秀忠でした。そこには、「才能のあるものが上に立てば、何でも思いのままに決めてしまう恐れがある」こと、「並々の能力の者なら、周囲を頼り、話し合いで成り立ち、平和な国を築ける」という争いごとを何より嫌う家康の思いがあってのことでした。実力が物を言うやり方は競争心を煽り、争いを引き起こす元になりかねないと考えたのです。この考えは三代将軍を指名する際にも適用されました。能力の勝っていた弟・国松ではなく、兄・家光を指名したのです。
「能力で判断しない」ところから、今の「年功序列」へと繋がっています。
「年功序列」の英語表現と類義語
「年功序列」の英語の表現
続いて「年功序列」が英語でどのように表現されているのかをご紹介します。
- Serionity(年功序列)
- Seniority system(年功序列制)
【例文】
- Promotion by seniority(年功序列による昇進)
- Run afoul of the seniority system(年功序列制の壁にぶつかる)
「serionity」はそれ自体が「(勤続年数による)年功序列」という意味があり、「年功序列」を表現する際にはほぼ「serionity」が使われています。「system」は「制度」、「Promotion」は「昇進、昇級」という意味です。
「Run afoul of」は「規則や法律に逆らう」「~と衝突する」という意味があり、「規則や法律と衝突する」となり「制度の壁にぶつかる」と表現しています。
「年功序列」の類義語
次に「年功序列」と似たような意味を持つ言葉をご紹介していきます。
- 長幼之序(ちょうようのじょ)
- 年功加俸(ねんこうかほう)
「長幼之序」は「年長者と年少者の間で当然守るべき、社会的・道徳的な秩序のこと」という意味です。「長幼」は「大人と子供」、「序」は「順序」を意味しています。「年齢の順」を表し、「年功序列」の「年齢などの要素を重視」しているのと同じです。
「年功加俸」は「年功の度合いによって給付される、本俸以外の俸給のこと」という意味です。「加俸」は「俸給、給料」を意味しており、「年功序列」の「賃金が上がる」という面で同じです。
「年功序列」の使い方
最後に「年功序列」の使い方を紹介します。
【例文】
- 「あの会社は、年功序列制だそうだ」
- 「年功序列によって、彼は昇進が決まった」
- 「年功序列制は、雇用が安定するので安心できる」
- 「彼が僕より給料が良いのは、年功序列のせいだけではない気がする」
- 「日本は年功序列が当たり前だったが、最近は実力主義に変わりつつある」
「年功序列」は会社のシステムとして話題になることが多い言葉です。
「年功序列制」や「年功序列型~」と表現することが多いです。
就職活動の時など、応募先企業の雇用に関する制度を確認すると「年功序列」という言葉が出てくると思います。自分の将来に関わってくることですので、言葉の意味をよく理解し、その会社のシステムを把握し、選びたいですね。
「年功序列」と「成果主義(せいかしゅぎ)」
「年功序列」と比較して用いられる言葉として、「成果主義」があります。「勤続年数」や「年齢」を基準にしている「年功序列」に対して、「成果主義」は「勤続年数」や「年齢」はまったく思慮されず、あくまで「仕事の成果」や「会社への貢献度」を基準にしています。
どちらが自分の性に合っているか、よく見極めた上で就職先を考えたいですね。
どちらにもメリット、デメリットがあります。「良いとこどり」して誰もが気持ちよく働ける職場があったら嬉しいですね。
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