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突然ですが、「厚かましい」という言葉をご存知でしょうか?
自分の立場をわきまえずに「図々しい」というイメージがある言葉ですが、この厚かましいことを言い換えた言葉で新聞やネットニュースなどで時たま目にする「厚顔無恥」という四字熟語。
あなたはご存じですか?日常的によく使う言葉ではないので、正しい使い方がわからない方も多いと思います。
この記事では、そんな「厚顔無恥」の意味や語源、英語・類語表現や使い方の例文をご紹介します。
「厚顔無恥」の意味や語源
まずは読み方、意味と語源をご紹介していきます。
「厚顔無恥」の意味
先に読み方を確認しましょう。「厚顔無恥」は「こうがんむち」と読みます。
「無恥」の部分を同じ読みの「無知」に間違えてしまう人が多いので、お気を付けください。意味を把握するとこの間違いをすることはないので、次に意味をみてみましょう。
「厚顔無恥」とは「他人に対する態度があつかましく、恥を知らない様子」という意味です。
知識・知恵がない「無知」ではなく、恥を恥と思わない意味の「無恥」だということがわかりますね。
「厚顔無恥」の語源
次に、「厚顔無恥」の語源(由来)について見ていきます。
「厚顔無恥」の由来は、中国の古典文書、孔稚珪(こうちけい)作の『北山移文(ほくざんいぶん)』です。
「あに芳杜(ほうと)をして顔を厚くし、薜茘(へいれい)をして恥ずる無からしむべけんや」
(訳)味はよくないが色は綺麗な「アカナシ」のことを厚顔な草とし、香りは良くても他の木に絡みついて伸びる「マサキノカズラ」のことを無恥な草としてよいのだろうか。そんなわけない。
日本には平安時代に伝わってきました。
「厚顔」とは「面の皮のあついこと。あつかましいこと」という意味になります。
(「厚顔な男」のような使い方をします)
「無恥」とは「恥を恥とも思わないこと。恥知らず」という意味です。
(「無恥な人間」のような使い方をします)
この2つの漢字を組み合わせ、厚かましく恥知らずという意味になります。
「厚顔無恥」の英語や類義語
次に英語表現と類義語をご紹介していきます。
「厚顔無恥」の英語
中国由来の言葉ですので、英語にも同じ表現があるのか疑問ですよね。
【例文】
- How shameless he is!(なんて厚顔無恥な奴だ!)
- She was there in an impudent attitude.(彼女は厚顔無恥な態度だった)
「shameless」や「impudent」は図々しいという意味で使われる単語です。
他にも
- Thick-skinned face(面の皮が厚い)
- Barefaced(ずうずうしい。厚かましい)
という表現もあります。
「厚顔無恥」の類義語
次に、類義語を2つご紹介します。
- 「傍若無人」
- 「唯我独尊」
「傍若無人」の意味は「人前もはばからず、勝手に気ままに行動すること。人を人とも思わない振る舞いをすること」です。使い方は「傍若無人な態度」「傍若無人の振る舞い」と用いられます。
「唯我独尊」の意味は「この世の中で、自分が一番偉いとして、うぬぼれること。自分のことしか関心がない様子」です。使い方は傍若無人と似ていて「唯我独尊の態度だ」というように用いられます。
どちらも他人を気にせず自分勝手という意味ですね。
「傍若無人」と「唯我独尊」の記事はこちらをご覧ください。
「厚顔無恥」の使い方
最後に使い方を、例文を使ってご紹介していきます。
【例文】
- 「わかっていないのに威張るなんて、彼女は厚顔無恥な人だ」
- 「その発言は厚顔無恥だと気づかないものか」
- 「なんて無責任で厚顔無恥な政治家なのだろう」
- 「さんざん見下してきて最終的に彼女は私に頼むだなんて厚顔無恥な人である」
- 「厚顔無恥な態度は嫌われる」
「~だ」「~な人」「~な態度」というように使われます。
例文で見ると、より悪い意味で使われていることがわかりますね。
厚顔無恥に気を付けましょう
「厚顔無恥」についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
正直良い意味では使われない言葉なので人から言われたり、人に対して言いたい言葉ではないですよね。
日常的に使う言葉ではないにしろ、実際周りに厚顔無恥な方がいらっしゃるかもしれません。また知らないうちに自分が厚顔無恥な態度をとっているかもしれないですよね。
非常識な人と思われないよう他人の立場に立って物事を考えると理想的ですね。
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