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よくドラマとかで「名誉毀損で訴えてやる!」なんて台詞を聞きますね。
しかし近年はSNSの発達により「名誉毀損で訴えてやる!」というのがドラマの中のお話だけではなく、もっと身近なものになってきました。
私もSNSに何かを投稿する時、かなり気を遣います。
でも、そもそも「名誉毀損」って、本当はどういう意味なのでしょう?
この記事では、「名誉毀損」の意味や語源、英語表記や類義語、使い方の例文をわかりやすくご紹介します。
「名誉毀損」の意味と語源
「名誉毀損」の意味
それでは、「名誉毀損」の意味をご紹介します。
まず読み方ですが、「名誉毀損」は「めいよきそん」と読みます。
「名誉毀損」とは、「他人の名誉を傷つけること。また、その罪。」と言う意味です。
何かを表す言葉というよりは、ある一定の行為による罪を指す言葉ですね。
民法では不法行為として709条に、刑法では名誉毀損罪として230条に条文が制定されています。
「名誉毀損」を言葉ではなく罪として捉えた時、民法と刑法では解釈が異なります。
しかし言葉として捉える分には意味は変わりません。
「名誉棄損」と書かれることもあります。
「名誉毀損」の語源
続いて「名誉毀損」の語源を紹介します。
「名誉毀損」を二語に分けて紐解いていきましょう。
まず「名誉」についてです。「名誉」とは実は色々な意味があるのですが、ここでは「能力や行為について優れた評価を得ていること」や「社会的に認められている個人や集団の人格的評価」の意味を持ちます。「名」前が「誉」められて評価をもらったと言うことですね。目に見える物ではありません。
次に「毀損」は「物を壊すこと、物が壊れること」と「利益・体面などを損なうこと」という二つの意味があります。どちらも何かを壊すことを意味していますが、後者の意味の方がしっくりきますね。
このように、「目に見えない利益や体面を傷つけられる・損なう」ことは、とても困ります。
そのための「名誉毀損」という罪ですね。
「名誉毀損」の英語表現と類義語
「名誉毀損」の英語表現
次に、「名誉毀損」の英語表記をご紹介します。
- Defamation of character(名誉毀損)
【例文】
- to be charged with defamation(名誉毀損の訴訟を起こす)
- to prosecute one for defamation
「Defamation」は中傷、「character」は性格を意味する単語なので、直訳すると「性格を中傷する」と言う意味になります。
しかし「Defamation」だけでも「名誉毀損」と表せます。
「名誉毀損」の類義語
「名誉毀損」の類義語を紹介します。
- 誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)
- 侮辱罪(ぶじょくざい)
「誹謗」は「悪口を言うこと」で「中傷」は「根拠のないことを言って相手の名誉を傷つけること」という意味です。「誹謗」と「中傷」は単体でも「名誉毀損」と同じような意味になります。
「誹謗中傷」は「相手の名誉を傷つける行為のこと」で、「名誉毀損」はそれによって問われる罪のことですね。
「侮辱罪」は「名誉毀損」と同じように罪の名前です。
「侮辱罪」は「具体的なことがらを上げずに人をばかにしたり、はずかしめる」行為が罪となります。
「名誉毀損」は「具体的なことがらを上げて社会的評価を下げる」行為が罪となるので、厳密には異なる罪ですが、言葉の意味は似ています。
ちなみに、「誹謗中傷」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「名誉毀損」の使い方の例文
最後に、「名誉毀損」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「あなたの言動によって、私の立場が無くなりました。あなたのことを名誉毀損で訴えます。」
- 「あの報道は、事実無根だ。名誉毀損で訴えてやる。」
- 「名誉毀損で訴えられてしまうなんて…軽い気持ちでSNSにタレントの悪口を書いてしまっただけなのに…」
- 「これは名誉毀損に当たるぞ。この記事は、彼の過去の行いを否定しているからな。」
- 「たったこれだけの悪口でも名誉毀損に該当するの?」
「名誉毀損」は罪の名前なので、「名誉毀損で(訴える)」と使うことが多いですね。
さらに最近はSNSの匿名の書き込みに対して、著名人が訴訟を起こすというケースも多く見られるようになったので耳にすることも増えたのではないでしょうか。
今こそ気をつけたい「名誉毀損」
「名誉」は目に見える物では無いので、「名誉毀損」は血が出たり骨が折れたり、目に見える攻撃ではありません。相手の心に傷を負わせてしまいます。
あなたのその言葉は、相手の名誉を傷つけていませんか?
表現の自由が許されている今の時代だからこそ、「名誉毀損」と言う言葉の意味をしっかり理解して一人一人が気をつけて生活していきたいですね。
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