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突然ですが、あなたは今ある環境に感謝できていますか?
毎日普通に空気を吸えて朝昼晩と食事ができて、晴れている日もあれば雨の日もあり、学校や仕事に行くことができ、毎日を健康で過ごせることなどです。
また、自然についてもそうですね。
毎日、日が昇り夜になると月が出る、山には木や草などが生い茂り、海には海藻や魚たちが生息する、空には雲があり虹が出ることなど…あります。
そんな極々当たり前の環境や状態に対して、私たち人間は心底感謝して生きれているでしょうか。
ちょっと哲学的な話になりそうなので、ここら辺にしておきますが、今回はそんなあらゆることを表現する四字熟語「森羅万象」について掘り下げていこうと思います。
この記事では、「森羅万象」の意味や英語・類義語表現や使い方の例文をご紹介していきます。
「森羅万象」の意味と語源
「森羅万象」の意味
まずは読み方ですが、「森羅万象」は「しんらばんしょう」と読みます。
ちなみに、「しんらまんぞう」「しんらばんぞう」という読み方でもOKです。
「森羅万象」とは「この世に存在する、すべての物事や現象」という意味です。
簡単に言えば、冒頭でお伝えした「今私たちの環境にある物や自然」などという意味ですね。
あまり小難しいイメージがつくと良くないので、次の語源で噛み砕いて見ていきましょう。
「森羅万象」の語源
それでは、「森羅万象」の語源をご紹介していきます。
「森羅万象」は、二語に分けるとわかりやすいので、それぞれ見ていきましょう。
まず「森羅」という言葉です。
漢字が持つ意味から紐解いていくと分かりやすいのですが、あなたは「森」という漢字を見てどのようなイメージを持っていますか?おそらく、「木がいっぱい茂っていて、広くて・・・」というような光景が頭に浮かぶのではないかと思います。
そして、一見するだけではわかりにくい「羅」という漢字ですが、「網羅する」とか「羅列する」など何かが多く連なるという意味を持つ漢字として使われていますね。この「森羅」という言葉でも、そういった意味で使われているのです。
ということで、
「森羅」という言葉は、「木が沢山茂っている広大な場所が限りなく連なっている」という意味を持っているのですが、この広大さゆえ「森羅万象」という言葉の中での「森羅」は【この世】【全世界】【天上天下】というような「この世の中全体」という意味として使われています。
次に、「万象」という言葉についてご紹介していきます。
「万象」とは、「形あるすべての物事や現象」という意味があります。
どういう流れでこの言葉ができたか、ちょっとずつ紐解いてみると以下のようになります。
「万」という漢字ですが、これは純粋に数の単位として用いられる場合のほかに、「全てのもの」というように単位に関係なくすべてを包括するような大きなものを表現したい時に使われます。ここでは「万事」という言葉の一部として使われています。
次の「象」という漢字は、(象=ゾウではなく)現象の「象」ですね。
つまり、
この二つを掛け合わせて一部を省略(万事の「事」と、現象の「現」は」省略)した、「万象」という言葉によって「この世に存在しうるすべての物事や現象のことを指している」というわけですね。
以上の「森羅」=「この世の中全体」と「万象」=「この世に存在しうるすべての物事や現象のことを指している」を合わせることで、「この世に存在する、すべての物事や現象」になります。
【関連記事】
こちらの「天上天下」も「万象」とほぼ同じ意味ですが、読み方は「てんじょうてんか」と読んでいませんか?
「森羅万象」の英語表現や類義語
次に、「森羅万象」の英語表現や類義語について見ていきましょう。
「森羅万象」の英語表現
まずは、「森羅万象」の英語表現について見ていきます。
「森羅万象」のキーワードとなる「全て」という意味の単語はご存知の方も多いのではないでしょうか。
- all
- everything
「森羅万象」という言葉を英語にする際も、この「all」「everthing」を使います。
【例文】
- all things in universe(宇宙にあるすべてのもの)
- Thanks to everything in the world.(世界中の森羅万象に感謝します。)
「universe」は「宇宙の」という意味があるので、この場合も適当な単語だと言えます。
「everything in the world」は「世界中のすべてのもの」と訳します。こちらも森羅万象とピッタリの英語表現ですね。
「森羅万象」の類義語
「森羅万象」には、「全て」という意味がキーワードになるので、それと似たような意味の言葉には下記のようなものがあります。
- 有象無象(うぞうむぞう)
- 天地万物(てんちばんぶつ)
- 諸事万端(しょじばんたん)
「有象無象」は、「形があるないにかかわらず、全てのもの」という意味です。
「天地万物」は、「地上から天上の全ての物事」という意味です。
「諸事万端」は、「様々な事柄すべて」という意味です。
どの四字熟語も漢字の並びから見ても、「森羅万象」の意味に近いことがわかりますね。
【関連記事】
「有象無象」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「森羅万象」の使い方の例文
それでは最後に、「森羅万象」の使い方を例文で見ていきましょう。
【例文】
- 「四季の移ろいにしたがって森羅万象も刻一刻と変化していく」
- 「全てを知ったつもりでも、森羅万象には及ばない」
- 「恋をすると盲目的になってしまい、森羅万象ことごとくこの恋愛のためにあるもののように見えてしまう」
- 「この全宇宙の森羅万象を解明することは難しい」
- 「どんな問題であっても、森羅万象必ず答えが存在する」
「森羅万象」は「全てのもの」と言い換えることができますが、ちょっと神秘的な意味合いがある時に使うことが多いですね。
使い方も「森羅万象〇〇」というように、直後に動詞や形容詞が続くことが多いですね。
最初のうちは難しく感じてしまうかもしれませんが、慣れてくると色々なアイデアが浮かんでくるようになると思いますので、是非上記の例文を参考に考えてみてくださいね。
壮大な言葉「森羅万象」
私たちが普段、確信した物事があると「これがすべてだ」と言い切ることがあると思います。
でも今回、「森羅万象」とは無形のものも含まれるので「実は目に見えるものだけがすべてではない」ということを知りましたね。
なので、「この世の全て」を認識することが困難なように、「これがすべてだ」と思うのも烏滸(おこ)がましいということを知りました。
どんな出来事や実態あるものであっても、謙虚になり貪欲になり「すべてではない」と思い込むことで見えてくるものもあるかもしれませんね。
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