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あなたは物事を決めるとき、自分の考えで即座に決断できる方ですか?
わたしはどちらかというと、なかなか決められず自分でも時々イライラします。
悩んだ上に結局決断を先送りにする、なんてこともあります。
そんな決断の様子を表す言葉に「右顧左眄」という四字熟語がありますが、ご存知でしょうか。
読み方もなんだか難しそうですね。
この記事では、「右顧左眄」の意味や語源、英語表現・類義語や使い方の例文まで詳しくご紹介します。
「右顧左眄」の意味と語源
「右顧左眄」の意味
最初に、「右顧左眄」の意味をご紹介します。
まず読み方ですが、「右顧左眄」は「うこさべん」と読みます。
「右顧左眄」とは、「右を見たり左を見たり周りの様子を伺ってばかりいて、なかなか決断しないこと」という意味です。
「右」「左」は方向を表す語で「顧」は「かえりみる、振り返ってみる」ということ、「眄」は「流し目で見る、わき見をする」という事です。
「顧」「眄」共に「見る」という意味が共通しており、「見る」ことを強調しています。
つまり、「右顧左眄」は周りを気にして、キョロキョロとしている様子を表しています。
「右顧左眄」の由来
次に、「右顧左眄」の由来(語源)をご紹介していきます。
「右顧左眄」という言葉は、中国古典からはじまります。その内容は、以下の通りです。
元々は、「左顧右眄」と左右反対の文字の配列で三国志に記されていました。
魏の詩人が友人に宛てた手紙の中で「あなたは周りに大勢の人がいても、それに臆することなく堂々とした態度、振る舞いをしている」と友人を褒めている様子を「左顧右眄」という言葉で書いており、とても良い意味の言葉で使われていました。
それが人々に使われるようになり、長い年月で「周りの人の思惑ばかりを気にしている様子」と歪んだ逆の意味へと変化していきました。
左右の文字も、「右顧左眄」と逆転して使うことが多くなりました。
つまり「周りの意見に振り回されず、自分の意見を堂々と持っている」ということが「周りの意見ばかりが気になって自分の意見を持てない」という様子を表す語に変化してしまったのです。
真逆に変化してしまうというのが、この言葉の歴史の古さを物語っていますね。
ちなみに、「左顧右眄」という言葉も「右顧左眄」と同じ意味で現在でも使われています。
友を褒めた言葉はどこへ行ってしまったのでしょうか。
「右顧左眄」の英語表現と類義語
「右顧左眄」の英語表現
続いて、「右顧左眄」の英語表現をご紹介します。
- hesitant(躊躇する)
- vacillate(揺れ動く)
【例文】
- looking to the right and left, hesitation(左右を見て、ためらう)
「右顧左眄」というと「right(右)」や「left(左)」が付いてきそうですが、「hesitant」や「vacillate」だけで成立しています。
この他にも、「waver(揺れる)」でも意味は通用します。
四字熟語の英語表現を、ビジネス場面別でまとめてみました。
ビジネス英語として実践で使える四字熟語30選【英語勉強アプリもご紹介】
「右顧左眄」の類義語
それでは、「右顧左眄」の類義語をご紹介します。
- 八方美人(はっぽうびじん)
- 右往左往(うおうさおう)
- 優柔不断(ゆうじゅうふだん)
「八方美人」は、「誰に対しても愛想よく振る舞うこと」という意味です。誰にでもいい顔をして、自分の軸がないところが「右顧左眄」と似ていますね。
「右往左往」は、「うろたえてあちこちへ行ったり来たりしてしまうこと。あわてふためいて混乱している様子」という意味です。漢字もさることながら、意味の方も定まらない様子が「右顧左眄」に似ていると言えます。
「優柔不断」は、「はっきりせず煮え切らない態度で、ぐずぐずと決められないこと・様子」という意味です。ご存じの四字熟語ですが、周りに振り回される意味で「右顧左眄」と類似していますね。
それぞれ「右顧左眄」と同じで「なかなか決断できないこと」「ぐずぐずしていること」を表した四字熟語です。
「八方美人」「右往左往」「優柔不断」については、こちらの記事に詳しく書いています。
「八方美人」とは悪い意味?由来や使い方の例文!英語表現や類語もご紹介
「右往左往」の意味と語源とは?英語・類義語・対義語【使い方の例文】
「優柔不断」の意味や語源。類義語や対義語、英語で表現するとどうなる?
「右顧左眄」の使い方
最後に、「右顧左眄」の使い方を例文でご紹介します。
【例文】
- 「あの芸能人はメディアを気にして、右顧左眄しているようにみえる。」
- 「母は、PTAの会合で右顧左眄ばかりだ。」
- 「彼女の行動はいつも右顧左眄しているので、見ていてイライラしてくる。」
- 「右顧左眄の態度なら、一人で批判を受けなくてもよいとあなたは思っているだろう。」
- 「先輩は上司に対して、右顧左眄することなく自分の言葉で意見を述べた。」
- 「大事な時に、右顧左眄して周りに流されている。」
「右顧左眄」は、決断を迫られている場面や普段からの雰囲気で判断されて使うことが多いです。
「右顧左眄して~」「右顧左眄の」と、動詞や名詞として使うことが一般的ですね。
やはりネガティブな意味で使うことが多い「右顧左眄」ですが、「~せず」「~することなく」というように、この言葉を打ち消すことでポジティブな意味にもなりますねね。
まとめ:「右顧左眄」から学ぶこと
以上、「右顧左眄」についてご紹介してきました。
まとめると、以下の通りです。
読み方 | うこさべん |
意味 | 右を見たり左を見たり周りの様子を伺ってばかりいて、なかなか決断しないこと |
由来(語源) | 三国志の中にある、魏の詩人が友人に宛てた手紙の中で「あなたは周りに大勢の人がいても、それに臆することなく堂々とした態度、振る舞いをしている」と友人を褒めている様子を「左顧右眄」という言葉で書いていたことを、長い年月で「周りの人の思惑ばかりを気にしている様子」と歪んだ逆の意味へと変化したことから。 |
英語表現 | ・hesitant(躊躇する) ・vacillate(揺れ動く) |
類義語 | ・八方美人(はっぽうびじん) ・右往左往(うおうさおう) ・優柔不断(ゆうじゅうふだん) |
「右顧左眄」という言葉を詳しくご紹介してきましたが、あまり良い意味で使われることが少ない言葉です。
周りの意見は聞くべきですが、自分の意見もしっかり持ち、人に流されず決断すべきだということですね。
「右顧左眄している」と言われないように自分の意見で決断できる人を目指しましょう。
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